片々録
堀谷ワットマン
『みづゑ』第七十
明治43年12月3日
或る日田舎の淋七き村を例の道具を肩に懸け三一脚を持つて、スケッチンググラゥンー3を採さんと思ひ、左右を見乍ら歩いた時、其邊に遊んで居る四五人の童は、僕を指し、連發しで飴屋が來たと云ふ、他の一人の兜は三脚を見て、春チャン犬殺しだと云ふた、あめやと呼ばれたは未だ良いが犬殺しには實に閉口した。
堀谷ワットマン
『みづゑ』第七十
明治43年12月3日
或る日田舎の淋七き村を例の道具を肩に懸け三一脚を持つて、スケッチンググラゥンー3を採さんと思ひ、左右を見乍ら歩いた時、其邊に遊んで居る四五人の童は、僕を指し、連發しで飴屋が來たと云ふ、他の一人の兜は三脚を見て、春チャン犬殺しだと云ふた、あめやと呼ばれたは未だ良いが犬殺しには實に閉口した。