紹介
『みづゑ』第七十二
明治44年2月3日
◎支那仙入列傳 東海林辰三郎著
本郷區龍岡町 聚精堂發行
菊判クロース綴五百頁定ヶ金壹圓 三拾銭
古來世に傳ふる支那仙人の傳記中二百五十餘人を選み、其傳説を詳記せしものにて、列仙傳載する處の挿繪は普く網羅されたり。大部の册子なれば未だ讀了せざれど、奇警なるあり怪異なるあり不思議なるあり、そのお伽話をよむが如き中に往々修養に資すべき事實少なからず。春寒の候、火爐を擁して窓下に此書を繙かば、恰も仙境に遊ぶの感あるべし。製本質素にして美また書架を飾るに足らん。
◎『寫生趣味』第四號には『畫の要素』『臺灣の色彩』『佳い畫をかく心がけ』『繪具の並べ方』『樹木と草』『寫生帖』其他數項あリ不相變分りよく親切なれば初學の人には好參考といふべし(一部五銭送料二銭、臺北小南門街一丁目三十二、紫瀾會發行)