蠅を防ぐ法


『みづゑ』第七十三
明治44年3月3日

 蝿といふ奴は却々意地の惡いもので、綺麗な額緑を瞬く間に汚點だらけにする、殊に金縁の額なんか蠅の糞で見苦しくなるが、金緑を蠅に蹂躙させない樣にする最も簡便な方法がある、其れは玉葱を一つ刻んで、之に一合詐りの熱湯を注ぎ、蓋をして二日經つて後之を漉し、刷毛に附けて額緑に塗つて置けは蠅は决して近寄らぬとの話である。

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