報告


『みづゑ』第七十三
明治44年3月3日

 目的、當支部は日本水彩畫會大阪文部として汎く水彩畫研究者並に同好者を以て組織し水彩畫發達普及を圖る
 事業、を左の如く定む
 一、毎年一回乃至二回展覽會を公開す
 二、毎月研究會及作品互評會を開く
 三、毎月一回順送畫帖二種を發行す四、支部員には毎月『みづゑ』を無代配布す
 五、其他斯道に必要と認むる諸般の事項
 機關、會告其他研究會、互評會に於ける優秀作品は毎號『みづゑ』誌上に製版して載す
 支部員、本會の趣旨を賛する者は何人と雖も支部員たる事を得會則、を要する者は二錢切手封入申込まれたし詳細を告ぐ
 會費、一ケ月金參拾錢
 事務所、大阪市南區太寳寺町仲之丁一五一北山清太郎方
 四十四年三月一日
△支部員を募集す(既會友も支部員たることを得)
 支部員たらむ者は大阪を限らず地方在住者をも加入せしむ
 日本水彩畫會大阪支部
 代表幹事大塚作次郎
 全北山清太郎
 日本水彩畫會大阪支部規則
 一條、本支部は日本水彩畫會大阪支部として汎く水彩畫研究者並に同好者を以て組織し水彩畫の發達普及を目的とす
 二條、支部にては斯道奨勵の目的を以て左の事業をなすものとす
 一、毎年一回乃至二回展覽會を公開する事
 二、毎月研究會及作品批評會を開く事
 三、毎月一回順送畫帖を發行し會員の廻覽に供する事
 四、毎月一回雜誌『みづゑ』を支部員に配附す
 五、其他斯道に必要と認むる諸般の事項
 三條、支部員は各自技術の進歩に努むると同時に品性を高め苟も美術の本來に反する行爲なきを心掛くべし
 四條、入會を望む者は入會證書に會費二ヶ月分を添ヘ申むべし但し會友たらんとする者は別に記名料金一圓、履歴書を添ヘ申込むへし、但し既に日本水彩畫會々友は記名料及履歴書を要せず
 五條、支部入會者を左の二種に區別す
 支部員
 會友、日本水彩畫會々友にして本、支部の待遇を並受するものとす、
 會員、本支部の趣意を賛する一般入會者にして支部と運命を共にするものとす
 六條、支部員は本、支部の事業に隨意参與することを得自個の意見を述ぶることを得るものとす
 七條、支部を退會せんと欲する者は退會の理由を詳記する退會届を出すへし但し記名料等は返却せす
 八條、支部員は會費として毎月十六日を期限とし金参拾錢を支部に納附すべし但し既會友と難も會費は異なるなく常支部に納附するものとす
 九條、支部員には毎月雜誌『みづゑ』を無代配付す但し會費遲納者には配付を中止す
 十條、支部員は雜誌に美術に關する投稿若は質問をなすことを得、但し通信等は支部宛に總て差出す事
 十一條、支部の事務は幹事四名にて之を分掌す
 明治四十四年二月日制定す
 日本水彩畫會大阪支部
 事務所大阪市南區大寳寺町中の町百五十一番地屋敷
 代表幹事北山清太郎
 神戸秋馬水繪研究會の初聲
 美術と品性は離るべからざるものだといふ。美術によつて品性を養はるゝは疑なき事實である。我々は自己の品性を高めると同時に、美術上の智識も得たい。美術上の智識を得ると同時に、繪畫の技術の進歩も圖りたい。此趣味の發展にも努めて見たい。
 と云ふて、當地にはそのやうな心掛の人は澤山あらうが、そのやうな人を滿足させる機關が無い。ゴテ塗り主義の輸出畫のみ見てゐたのでは、進歩向上は思ひもよらない。
 由來商業地でもあるから、趣昧も充分とは云へない。此無趣味の中から、初聲を擧げたのは吾が研究會で、無論内容は幼稚なものである。
 内容は幼稚である。吾々の技術と來たらまた其上に一層幼稚である。然しながら、各自が一生懸命に勉張したなら、いつかは幼稚の域を脱しで、此關西の大都神戸を中心として、攝津の隅々、否な日本全國にまでも、吾會あることを知らるゝ時機は來ないとも限らない。吾々は、東京の紫紅會、仙臺の紫陽畫會の熱心なる御盡力御賛成を仰いて、姉妹會とまで呼ばるゝに至つたことは大なる感謝を致す次第である希くは『みづゑ』同好の諸君の御賛同によつて、此會を盛大にいたしたい。
 内容を知らむとせらるゝの士は、一通のハガキを給ヘ、喜むで規定を呈さむ。
 神戸市楠町三ノ一七五ノ二秋馬水繪研究會
 勝部新治
 伴利也
 秋馬水繪研究會々則
 第一章總則
 第一條本會ハ秋馬水繪研究會ト稱ス
 第二條本會ハ明治四十三年十二月十五日ヲ以テ發會ス
 第三條本會ノ事務所ハ市丙楠町三丁目四十七番屋敷勝部方ニ設ク
 第四條本會ノ研究所ヲ市内北長狭通一丁目長狭館ニ設ク
 第五條本會ハ業務多忙中ノ傍ラ其餘暇ヲ以テ高尚ナル趣味ト健全ナル精神ヲ養ヒ以テ自然に熱心ノ『アマッチュアー』ヲ養成スルヲ目的トス
 第二章會員
 第六條本會ヘハ何人ト雖ドモ時日ヲ選バズ入會スルコトヲ得
 第七條本會へ入會セントスル者ハ左ノ申込書へ記名捺印ノ上申込ムベシ但シ入會費不用
 第三章會費
 第八條本會ノ會費ヲ毎月拾五錢トシ毎月五日マデニ必ズ當月分ヲ納付スベシ但シ三ケ月以上ノ滞納者ハ退會者ト見做ス
 第九條會費ハ集収ノ上先輩ノ慰勞及寫生族行ノ資ニ供ス
 第四章研究日及批評會
 第十條研究日ハ當分毎月夜間二回集合ノ上木炭、鉛筆畫ヲ主トツ水彩、油畫等ヲ研究ス
 但シ會員不出席ヲ不論一二名ニテモ熱心研究スルコト
 第十一條用具ハ畫架、カルトン、木炭、鉛筆(イーグル印)及用紙ニシテ各自ノ自辮トス
 第十二條一、批評會三ケ月日毎ニ一回
 一、寫生會二ケ月日毎ニ一回(日曜祭日ヲ利用シ旅行ノコト)
 右日割ハ役員協議ノ上通知ノ事
 第五章廻覽誌第十三條三ケ月目毎ニ會員ノ自作品及小品文ヲ以ッテ廻覽誌ヲ造ル
 第十四條書風如何ニ係ハラズ自作ノ事
 第十五條寫生日記感想等進ンデ投書ノ事
 以上
 神戸秋馬水繪研究會
 市内楠町三丁目四十七番屋敷
 事務所勝部新治
 市内元居留地京町十番内
 申込所件利也

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