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『みづゑ』第七十三
明治44年3月3日

□本號原色版『木曾駒ケ嶽』は昨年四月信州赤穗大田切高原より寫生せしもの、原畫は一尺に一尺五寸大。『銚子海岸』は「ワットマン」四ツ切大。『早春』はOw四ッ分大なリ。
□次號原色版は中澤弘光氏の『吉奈温泉』。大下氏の『春』を出す筈。他に大坂某氏よりの寄送にかゝる朝鮮の風景並に石井柏亭氏のヱハガキ小豆島等の石版畫を掲出すべし。
□編者の都合により、四月號は定期ょり數日間程發行延引するかも知れず、豫め御斷申おく。
□日本水彩畫會研究所では、四月八日九日の兩日、生徒の成績展覽會を開く計畫中なり。四月號はなるべく其前に發行して、御案内申すべく、會友及讀者諸君の御來觀を望む。
□『みづゑ』に關する用向、會友諸君ょりの通信等は、春鳥會に於て取扱ひ居れり。然るに、日本水彩畫會宛とし、又は小石川關目關井町日本水彩畫會として通信せらるゝ方あり、間違を生じ候に付、以後は一切春鳥會宛に願ひたし。
□御註文の時、雜誌の號數を記入せず、又は何月よりと御明記なきため發送上迷惑甚し、御注意を乞ふ。
□丸山晩霞氏は、三月十五日横濱出帆の平野丸にて渡欧の途に就かるゝ筈なり。
□大下氏は、三月初旬、大阪を經て高松多度津、松山、道後、宮島、並びに九州別府方面に寫生族行のため出發致さるべし。
□從つて、會友諸君より送らるゝ水彩畫批評の返送は、四月中と御承知ありたし。
□三月中は直接の質問、肉筆畫の貸與、其他主幹の手を要すべき事項は一切御斷りいたし置く。
□小豆島『十人寫生紀行』は日本橋區馬喰町二丁目興文社より發賣されたり。一部金貮圓特價壹圓六拾錢にして會友は一部壹圓四拾四錢に割引さるべし御入用の方は會友の肩書を明記して直接同社ヘ注文ありたし送料は多分八錢ならん

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