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『みづゑ』第七十七
明治44年7月3日

□原色版『伊太利所見』は遥々羅馬より寄せられしもの、原圖と同一大なり。『山百合』は奥州嚴美溪にて昨年七月寫生せしもの、一尺二寸に八寸。『夏の靖國神社』は八ッ切大なり。
□次號原色版は、水野以文氏の『夏の夕暮』。小林重三氏の『花の寫生』二面附。並びに大下氏の『松島の夕』を出すべく、丸山晩霞氏の渡歐所見、渡部審也氏の尾の道寫生等木版として挿入さるべし。
□本誌は漸次内容を改めし結果、近來大に部數を增し、経濟上に多少の餘裕を見るべき見込につき、九月號より毎號原色版四枚を挿入し、日本水彩畫會に於ける新進作家の逸品を漸次掲出すべし。
□本會同人眞野紀太郎氏は、先頃より病氣入院中につき、桂淵畫會の製作は多少遲延すべく、また特別讀者にして同氏あ作を望める方には常分御猶豫を願ふ。
□本誌八月號送り先變更の方は二十日以前に御通知ありたし。
□會友諸君よりの批評畫は本月五日迄に送られたく、然らざれば九月迄其儘お預りするの止むなきに至るべし。
□會友にして文房堂割引券御入用の方は郵券を添へて申出でられたし。
□日本水彩畫會研究所は、七月中旬より九月初旬迄夏期休業につき、其間の御用の方は春鳥會へ申出でられたし。
□本會にて取次せる太平洋畫會第九囘展覽會カタログは、送料共一部金五十銭なり、右割引價格未定のころ注文され、取次送付せし二三氏よりは、たしか六十銭申受けたりと覺ゆる故、六十銭拂込みし人は、他日誌代送金の際過剰十銭差引送られたし。

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