繪具の數について


『みづゑ』第七十八 P.3
明治44年8月3日

 絵をかくには繪具の數は通常十色内外で充分である。人によりては之れよりも多く使用するもあり又た少なく使用するもあるが、之れは其人の經驗や都合にょるので別に極まりはない。さて其種類は何々が宜いかと云ふに普通の色を以て言へば黄色にはガンボージ。イエロー、オーカー。ブラオン、ピンク。バアント、シエンナの四色。赤色にはバーミリオン。ライト、レツド。クリムソン、レーキ。ブラオンマダーの四色。靑色にはコバルト、ブリユー。ビリヂアン。アントワプ、ブリユー。インヂゴーヌはアイボリ、ブラツクの四色である(欽)

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