紹介


『みづゑ』第七十八
明治44年8月3日

◎草畫舞臺姿山本鼎、阪本繁次郎筆東京市外田端五一二東京版畫倶樂部四枚一組定價三十錢
 帝國劇場六月狂言を畫きしもの、版畫美術の粹を發輝して遣憾なし。板目紙に紺土佐の縁とりたるタトゥ紙、見るからに心地よく、宗十郎宗之助高麗藏等の躍如たる舞臺姿の、簡潔なる筆清楚なる着色共に愛すべく、近來稀に見る好出版物といふべし。
◎日本美術年鑑第一巻
 本郷區湯島切通坂上畫報社
 四六版クロース綴八百餘頁、定價一圓
 八十錢
 美術家及美術愛好者にとりては便利此上なし。内容は連月の廣告にあれば茲に言はず。いづれ毎年出版せらるゝ事なんが、假綴を製しても少し價を廉にせられたなら更に多くの需要を增すことならん。

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