松江にて


『みづゑ』第七十九
明治44年9月3日

 日の出館といふ指定旅館で、第一回茶話會があつた、宍道湖に臨むだ凉しい家だ、廣い座敷に集まつたのは四十餘名、お茶にお菓子におすしと、御馳走澤山だ、まづ名のり合が始まる、私は‥‥に始まつて何分宜しく‥‥が終りだ、二三の話があつて後に、建築學の自稱大家MS先生の宍道湖觀が、奇想天外的の態度と口調とによつて演説せられた、一同大に傾聴否洪笑を餘義なくせられた、次にはべースの彌次歌あり、南洋歌あり、散會は十一時頃であつた。

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