敦賀にて歌へる

長谷川繁兒
『みづゑ』第八十
明治44年10月3日

敦賀にて歌へる 長谷川繁兒
  b:ワカゲンと假名文字にてしるされし瓦斯の灯のほのか なる夕べ
  畫をかける人の思想の若きよと心に笑ふわれがかな しき
  松原の松のあひだにイーゼルを展けば海のなづかし き色
  わが寫生せる時背にたてる人のパラソル色の日傘なづ かし
  金ヶ崎のいただきにわれ展望すはるかなる海よく晴れ し海
 

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