紹介


『みづゑ』第八十一
明治44年11月15日

 『水繪叢誌」上編
  一部實費送料共二十五銭
  牛込區水道町五三東京洋畫材料供給 會發行
 水繪材料の栞の改題されしものにして故大下藤次郎氏之を校訂さる。表紙、製本等粗末なれども一般洋畫の極大體の描方其他に渉りて記述し、美術展覽會、同規定、美術學校、研究所の案内等は精細を盡し就中水繪具の話、水繪具色見本は百餘色の色を一々實物を以て染め、貼付せし等、其精力の程實に驚歎の外なし其他紙見本も之に等しければ學者の參考に資すべき良書たるを疑はず。‥‥‥因に本書は去月發行の處見本貼付に非常なる手數を要せし由なはば、一時に送本せられざるべし。
 ▼春鳥會便利販賣部▲は元東京洋畫材料供給會と稱せしが今般其の組織を革め、同時に春鳥堂と號し專ら本會の讀者、會友よりの注文依頼に應じ一層確實に販賣をなせば同所より購買せらるゝが確實なる可し、詳しくは廣告を見られたし。
△桂淵畫會▽眞野紀太郎氏主催の同會は既報の如く肖像畫、水彩畫、風景、靜物等の揮毫の依頼に應ぜられつゝありて依頼者の好評頗る高し、尚ほ本誌讀者には特に好意を以て、申込に應ぜらるゝ由なれば有志の方は此際申まれたしと。

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