稟吉(春鳥會)


『みづゑ』第八十五
明治45年3月3日

 春鳥會と春鳥堂と、似た名であるために、御注文や、御拂ひ込みを、混同される向きがあつて、結局三方不便になりますから、こゝに注意して置きます。
 春鳥會は、大下家の内に置いて、專ら「みづゑ」の發行に從事してゐます、「みづゑ」の御注文、及び御投稿、その他同誌に關係した件は、一切春鳥會の方ヘ宛て、御願ひします、水彩畫臨本と、水彩畫風景繪葉書は、「みづゑ」以論外に、春鳥會で發行もいたし、御領ちもいたします。
 春鳥堂は、北山清次郎氏が、獨力經營の商店で、詳細は廣告にもある通り、洋畫の材料を、商つてゐます、本誌の讀者には、特に種々の便利な與へられる筈ですから、春鳥會同樣、同店に對しでも、何分の御引立を懇願します。
 たゞ春鳥曾と、春鳥堂とは、名義の上からも、事實の上からも、全然別物であることだけば、御混同の無いやうに願ひます。
 春鳥會

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