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『みづゑ』第八十九
明治45年7月3日

□原色版『春』及び『御嶽の奧』は共に原畫の重味を失ひ候。前者に縱五寸、橫一尺。後者はワットマン拾六切大にて候『上高地』は四拾年七月の作にてワットマン、九ッ切。『洗濯』はワツトマン、八ッ切大に御座候、寫眞版『よもつ比良坂』は習作の一にして九ツ切大に候。
□本號の表紙は相田寅彦氏の考案になれるものにて候。
□次號原色版には南薰造氏筆、『赤い頭巾冠れる供子』故大下藤次郎氏筆『背景の下繪、』吉田ふじを氏筆『朝同の窓』、石井柏亭氏筆『ワンサンヌの池』を挿入する筈に候、『背景の下繪』は菊版八ツ切大にして本號に挿入の筈なりしも都合上八月號に廻す事に致し候、『朝日の室』、『ワンサンヌの池』に共に太平洋畫會展覽會の出品畫にて、寫眞版には、日本水彩畫會研究所月次會出品畫其他挿入の筈に御座候。
□記事には石川氏の『英國水彩畫家評判記』鴉澤氏の『故大下畫伯在米中の書簡』山崎氏の『劇の背景』磯氏の『玩具より受くる國々の色彩』及び丸山、齋藤、戸張、織田諸氏の御寄稿有之るべく候。
□前月に誌代御拂込み有之しかも十日迄、に雜誌未着の節は早速申出でられ度再調の上御送り仕るべく候。
□繪畫に關係なき寄稿はすべて沒書と致すべく候まゝ御含み置き被下度候。
□直接本會より講讀致さるゝ諸氏にして特約店文房堂商品目録及び割引券御望みの方は郵券を添へ御申込み有らば御送付致すべく候。
□日本水彩畫會研究所五月例會は、去る二十六日開催され、岡、永地、眞野氏外出席者四十人、出品點數百十一有之候。
□二十二頁所載の寫眞は四月二十、二十一の兩日臺灣??にて開催せられたる洋畫研究會展覽會に於ける紀念の撮影にかゝり前列向つて左より三番目取るが石川欽一郎氏にて他の諸氏はいつれも本會の會友にて候

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