讀者の領分


『みづゑ』第六
明治38年12月3日

 注意 長文及水彩畫に無關係のものは御斷り。
◎印は編者の答。投書の要點のみを掲ぐ
■讀者の領分新設大滿足。以後毎號投書しますよ□本誌第四第五の表紙は不出來□内容は一册毎に進歩の趾歴々見えて嬉し『みづゑ』万歳!(京橋茶阿公)◎今度の表紙は色の濃いのは皆不出來でした。第七から新模樣に改めます。■『繪はがき花しらべ』は水彩畫ですか(大坂H、A)◎印刷の都合上ぺン畫に彩色したものです。■1石版口繪を糊づけでなくアルバム式に改正されたし2各種の顏料を印刷して變化をも詳細示されたし(長野QQ生)◎1アルバム式では四隅が隠れますから實行致し兼ます。2現今吾國に來てゐる印刷インキにては充分に色を示しがたく面倒の割合によい結果を得られません。御自身の繪具で實驗さるゝ事を希望します。■小生は本誌の間接愛讀者ですが郵送でなく直接に送本して下さいますか(特權得度生)◎市内ならば配達させます。但郵送しても折目はつきません口繪も損じない積りです。■水彩の繪葉書は一枚四五錢以上だか『みづゑ』に三枚も色刷が入つたらこれ程廉價なものはあるまい(横濱畫狂人)■會員組織大賛成早く實行して下さい□交換エハガキの一等を色刷にして誌上へ掲げて貰いたい(冬峰生)◎エハガキ色刷は當分實行の見込がありません尤も傑れてよく印刷に手數のかゝらぬものは時々掲載する積りです■1繪も詩も相俟つて思想の粹であれは和歌俳句の欄を與へられたい但、日本派に限る。2大下先生のスケッチ説明は初學者に大利益がある冀くは毎號如斯方法で澤山掲出を切望する。3前號垂虹氏の説大賛成就中肖像畫描法は一日も早く掲載されたし(正覺山)◎1別に欄を設けるといふ事は紙面が挾くて出來兼ますが、カット代りに餘白へ載せますから御名吟を投書して下さい。2なるべく毎號掲出します3別項の記事御覽下さい■僕の學校の○○會とやらの會員の作つたものは、どれを見ても一人でかいた樣だ、これを海綿式といふ(一高憎まれもの)■白馬會もお仕舞になりました、これからは來年の太平洋畫會がたのしみです(小石川くみ子)■府下近傍の寫生地案内記を掲載して下さい。何處へ往たらよいかと常に迷つてゐます(新宿みどり生)◎來春から必ず出します■寫生會大賛成是非本年中に行つて下さい、寒くても何でも(麻布熱狂生)◎來春早々實行致します■甲「これ寫眞にするのやな」乙「てめーちがふがい。こりや賣るのやかい」當地では見物人がこんな事を申候(伊勢オリーヴ)8大家の寫生する處を見るのは素人畫家の大利益だが、地方では容易でない、然るにみづゑ第五から大下先生の説明付スケッチが出る事になつたのは誠に嬉しい□畫面の大なる普通の水彩畫を募集せよといふ垂虹氏に大賛成寧ろ繪葉書は止めても(相摸蘆水生)■臨時増刊を早く出して下さい(芝鶴首生◎來春三月頃出します。夫迄に澤山御寄稿を願います■第十六回の競技會で僕の處へ配布された作は、孤崖君の燈火。繪はお上手だが夜景にしては明るい。岡田君の横雲は森の方が主のやうだ。藤井君の作は森の景色だかあまり感服されぬ。浪月君の圓窓に半身これも嬉しくない。秋永君の佛壇着想はよい。大橋君の靜物畫は結搆であつた。盲評多謝(二葉)■臨時増刊をお早く願ひます(伊勢服部)◎來春迄御まち下さい■私は賣捌店から買升が毎月十五日過でなくては來ません、發行が遲れるのてすか(筑後杏月)◎三日の発行を遲れた事は曾てありません。■技術は下手でも忠實に自然を畫いた繪葉書は競技會へ出せますか(滴翠)◎拜見した上でなくてはわかりません■諸君水彩はがきを直接交換して下さい豫め僕の下手な事を御承知の上で(千葉縣君津郡中村泉、茅野生)■前號『白馬會の水彩畫』の記事に次で廣く他の畫會の批評をものせられては如何□紙質は少しく粗なるもいとはず、只記事の今少しく豐冨ならん事、望む□會員組織にして大家の肉筆を見られるやうにとの御計畫大賛成(水鳥生)◎書評は時々掲載します紙數を増すと忙しくなるのですから當分御勘辨下さい。(以下次號迄御預り)

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