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『みづゑ』第十一
明治39年4月18日

□豫告の如く、本號は全部讀者諸君の寄稿より成り平生より紙數及挿繪を増加し、臨時増刊として出版致候。
□本號の全部に漉色紙を用ひしは、他の號と區別せんが爲めに候。
□次號(五月三日發行)には、本誌第七の口繪海の作者サー、フランシス、ポウエル氏の筆に成れる、同じく海の圖を出すべく候。この繪は前圖と大に趣きを異にし、極めて和らかき描法にて、前圖と比較研究せば益多かるべしと存候。原圖はサー、ヘンリー、スミス氏の愛藏品にて、昨年本會より遙かにロンドン、スツヂオ社を通じて、版刻の許可を受けしものに御座候。
□六月頃には、丸山晩霎氏の飛彈地方大寫生旅行の面白き紀行、多數の挿繪と共に出つべく候。内容は言はぬが花なるが、幾多の冒險幾多の滑稽を含める極めて有趣味の者に候。
□寄稿のうち優秀なるものに對しては、本會主任の肉筆ヱハガキ一葉を呈すべき筈なりしも、多數にて間に合兼候に付、代りとして風景畫貼を御送可致候。

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