近事雜聞


『みづゑ』第十一
明治39年4月18日

△上野五號館開會中の太平洋畫會展覽會は出品畫も既に出揃い日々多數の入場者あり。水彩畫には藤島、平木、大橋、磯部、沼邊、中川、松木、長谷川其他數氏のほか京都よりの出品並に本會の丸山、眞野、大下諸氏の作もありて、點數二百に近しときく。
△同處に於ける巴會の展覽會は、陳列數は太平洋畫會の半にも滿たざれど、水彩畫の出品多く石川、石原、東城、五姓田、織田の諸氏を初めとし、本會の鵜澤氏も多數のスケッチを出されたり。
△日本橋十軒店の門井學校内に移轉せし水彩畫講習所にては、本月より有志者にのみ戸外寫生を詐し、講師同道にて丸の内附近の寫生を初めたり。猶同所は、校舎廣き爲め多數の講習生を収容し得べしといふ。

この記事をPDFで見る