問に答ふ


『みづゑ』第八十三
明治45年1月3日

■山岳は月刊にや發行所及定價を知りたし(TM生)□年三回、横濱市本町四丁目仝會、價は一定せず■一佛國製學生用の繪具は使用に堪へますか二僕の友人にて木炭紙に水彩畫を書く者あり差支なきものにや三枯草の色は何色にて描くや(紀伊、久楠)□一佛國製學生用の繪具にても色によりて使えるものと使へざるものとあれど概して使用して差支ヘなし二小さな作品淡彩の如きには妙ならむも少し重複した作には適せざるべし三枯草にも色々あり一概には言はれざるもバーントシーナ、ライトレツト、ヱロオーカ等を用ひて描かるべし■文部省展覽會に出品せし西洋畫の繪ハガキは全部あるものですか一枚の値段と發行所を問ふ(北の國の住人□西洋畫部は全部出來せず主なる作品のみなり一枚三銭より五銭まで色々あり發行所は本郷區湯島畫報社其他にても發行せしやに聞く本會便利部にても取次ぐべし■近々(冬期)講習會を催される計書有之候や乞御一報(きよし)□なし本年の夏期は何とか計畫出來得可くも只今の處にては見込立た〃づ■一繪具を幾度も重れて塗るとムラになるが如何なる理由でせうか二アントワープブリユとプルシアンブリユとは何れの方が使ひて好しいですか三ガンボージを塗ると繪が乾ひてから妙に光るが如何なるものにや(S、0生)□一下塗の未だ乾かぎる内に上へ色を塗るからではないか、紙の惡い時もそんなことがある二相等しき色にして前者は後者より淡し三ガンボージの光るのは此色の特色なり■大下先生の畫集は發行しましたか知りたし(板橋の畫狂)□未だ發行せず追て一週期頃に出したき希望あり■一STUDIOは何れの本屋にありや二パステル畫に用ゆる繪具の色數及値を知りれし(大阪西區某)□一丸善―大坂ならぱ心齋橋筋にあり★にて問ひ合さるぺし二四五十色乃至百餘色を通例とす一圓位ひから四五圓まで■ラツクは安きものなきかあれば知らせてほしい□自分で造つて使うより他になし、松ヤニを瓶に五分の一位い入れ工業用酒精(アルコホルとも云ふ)を注ぎよく溶解すればそれにて使へ得べし。

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