遺作集の發兌


『みづゑ』第九十
大正元年8月3日

 木下藤次郎氏の遺作は、現に大下家に藏せらるゝだけでも非常な數である。從つて其中には未だ一度も公にせられた事のないのも隨分多い事と思ふ。
 依て此程遺族、門弟並に舊友の諸氏協議の末、其の遺作集を發刊することに決定した、そして多分故人の一週忌頃迄には發兌のつもりである。
 共の内容まだ確定して居らないがコロタイプ刷の畫が五十枚位挿入されると聞いて居る。原色版は入るか入らないか未定である。價格は一圓内外とか。
 御望みの方は豫め葉書を以て本會迄御申込あつた方が凡てに於て双方共便宜が多からうと思ふ。

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