問に答ふ
『みづゑ』第九十
大正元年8月3日
問に答ふ
■一、油繪に艷油を塗りて何の効有りや塗らざれば如何。二、河上より描いて水の前方に流るゝ樣にするには如何なる特長を捕ふべきか。三、水彩繪具のフーカースグリーンが光澤を有するは何故なりや、之れを光からない樣にする方法ありや、又光て★差支ヘなきや、四、今までの統系を見て美術學校出身と講習所出身といづれが成功しつゝありや、各出身の大家の姓名を問ふ、五、美術學校の洋畫家の諸先生の住所姓名を問ふ、、六、文房堂の所在地を問ふ、七、山口縣に於て講習會を催さるゝ計畫有りや(福井春帆)◎一、繪具に光澤を持たす爲に用ゆれども、塗る必要なし、二、岩に激する波等に注意を拂はる可し、三、フーカスグリーンとかカンボージの樣な色の光るのは繪具の特質なればやむを得ず、若し光るのを嫌はるゝならば且つ等の色は用ひられざるがよからん、たつて用ひ度いならホワイトを入れゝば光澤は失なはる可し、四別に統系なるものなし、大家とても標準は、どの位なるか區別に苦しむ故姓名を指定さるれば取調ぶ可し、五、黒田淸輝、(麹町區平河町六ノ一四)、岩村透(本郷區龍岡町)岡田三郎助(府下澁谷町下澁谷町一八三八)和田英作(麻布區霞町二六)藤島武二(本郷區曙町五)長原孝太郎(本郷區駒込動坂町三三六六)小林萬吾(赤坂區新坂町六五)中村勝次郎(下谷區谷中町三七)久米桂一郎(麻布區飯倉町片町六)六、文房堂は神田區表神保町二番地、七、無し、■私は別記載の如き會を設立し廻覧帖を編纂して繪畫研究の一端とせんかため斯く計畫しました、春鳥會の先生方に御賛成を願ひます、そして廻覧帖の御校閲を御願致したいのですがいかがでせうかお伺致します(きさらき會主人)◎承知しました、一、春鳥會便利代理部春鳥堂は廢されましたか、二新刊紹介の部にサソラと云ふ雜誌の如きもの有之候ひしが美術雜誌(洋畫)にて候や、一册定價何程にて候や、三文房賞商品目録は郵券如何程に候か愛讀者)◎一、春鳥會便利代理部は廢されましたか、春鳥堂は、營業しています、二、文藝雜誌、金七銭三、往復はがきにて申込次第實價表を送附さるゝ筈なれども目下實價表品切の由、